歯が抜けたまま放置するとどうなる?リスクと治療法を徹底解説
2024年10月16日

小野瀬歯科医院です。
歯が抜けたままの状態を「これくらいなら大丈夫」と思って放置していませんか?
実は、このまま放置すると、噛み合わせの崩れや顔の見た目の変化、さらには全身の健康リスクが高まる可能性があります。
歯科医師としての長年の経験から、歯の健康が全身に与える影響は非常に大きいことをお伝えします。
歯を失ったままにしておくことで、残りの歯が移動し噛み合わせが悪くなるだけでなく、咀嚼能力が低下し、食生活にも悪影響を与えます。
その結果、消化不良や栄養不足といった全身の健康に影響を及ぼすリスクがあるのです。
今回は、歯が抜けたまま放置することの具体的なリスクや、その解決策について詳しくご紹介します。
インプラントやブリッジ、部分入れ歯などの治療オプションを検討することで、健康的で快適な生活を取り戻しましょう。
歯の健康は全身の健康に深く関わっています。
この機会に歯科治療を考え、将来の健康を守るために行動を起こしましょう。
歯が抜けたまま放置するとどうなる?
歯が抜けたまま放置することで、最初に起こる問題は噛み合わせのバランスが崩れることです。
歯は1本1本が連携して働いており、抜けた部分があると隣接する歯が傾き、噛み合っていた対合歯が伸びてくることがあります。
この状態が続くと、正しい噛み合わせが維持できなくなり、残った歯にも過度な負担がかかります。
歯が抜けたまま放置することで起こる主な問題
- 対合歯が伸びてきて噛み合わせが崩れる
- 隣接する歯が傾いて歯並びが乱れる
- 残った歯に過度な負担がかかる
- 顎関節症のリスクが高まる
- 歯槽骨の吸収が進み、インプラントが困難になる
さらに、歯の欠損部分をそのままにしていると、歯の移動や噛み合わせの変化だけでなく、歯茎が痩せたり、歯槽骨が吸収されたりすることもあります。
これにより、将来的にインプラントなどの治療が困難になるケースも少なくありません。
見た目の変化と心理的な影響
歯を失ったことで最も目立つのが、見た目への影響です。
特に前歯が抜けた場合は、笑顔や話し方に大きな影響を与え、人と接する際に自信を失うこともあります。
奥歯であっても、見た目に変化がないわけではありません。
奥歯が抜けた部分は、頬がこけて見えたり、顔全体が老けた印象になることがあります。
さらに、歯を失った部分の骨が時間とともに吸収されることで、歯茎が痩せ、顎のラインが変わってしまうこともあります。
これにより、顔の輪郭が崩れ、見た目に自信を失うことが多くなります。
生活への影響も見過ごせない
歯が抜けたまま放置すると、日常生活にもさまざまな影響が出てきます。
まず、噛む機能が低下するため、食べ物をうまく噛み砕くことができず、胃や腸に負担がかかります。
消化不良や胃もたれを引き起こし、結果として栄養の吸収が悪くなり、健康全般にも悪影響を与えることが知られています。
また、歯がない部分から息が漏れることで、特に「サ行」「ラ行」などの発音に支障が出ることがあります。
これにより、日常的な会話がスムーズに行えなくなり、ストレスを感じることが増えます。
さらに、噛む回数が減少することで脳への刺激が少なくなり、認知症のリスクが高まることも指摘されています。
歯を失った際の治療法
歯が抜けた場合、放置せずに早めに治療を受けることが重要です。
治療方法としては、主に「インプラント」「ブリッジ」「入れ歯」の3つが一般的です。
それぞれの特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。
- インプラント
抜けた歯の部分に人工歯根を埋め込んで、その上に人工の歯を装着する方法。
見た目が非常に自然で、自分の歯のような感覚で食事ができるという大きなメリットがありますが、外科手術が必要で治療期間が長く、費用が高額。 - ブリッジ
隣接する健康な歯を削って支えにし、抜けた部分に橋をかけるように人工歯を装着する方法。
治療期間が比較的短く、費用もインプラントに比べて抑えられるが、健康な歯を削る必要があるため、将来的に歯への負担が大きくなる。 - 入れ歯
取り外し可能な義歯で、部分入れ歯と総入れ歯に分かれる。
治療費が最も安く、治療期間も短いが、噛み心地や審美性においてインプラントやブリッジと比べて劣る。
放置せず早めに治療を
歯が抜けたまま放置してしまうと、歯並びや噛み合わせが悪くなるだけでなく、顎の骨が吸収されてしまうため、将来的にインプラント治療が難しくなることがあります。
さらに、噛む力の不均衡が続くと、残った歯への負担が増し、結果的に他の歯も失うリスクが高まります。
早期に治療を行えば、こうした問題を未然に防ぎ、健康な口腔環境を維持することができます。
また、治療を遅らせると、治療が大がかりになり、治療期間や費用も増加する可能性があります。
自分の歯を長く健康に保つためにも、歯が抜けた場合にはできるだけ早く歯科医院に相談しましょう。
口の健康は全身の健康に直結しています。
歯を失ってしまった場合、放置せずに適切な治療を受けることで、健康的な生活を維持することができます。
少しでも参考になれば幸いです。
自身の歯についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
東京歯科大学卒業後、千代田区の帝国ホテルインペリアルタワー内名執歯科・新有楽町ビル歯科に入職。
その後、小野瀬歯科医院を引き継ぎ、新宿オークタワー歯科クリニック開院し現在に至ります。
また、毎月医療情報を提供する歯科新聞を発行しています。
【所属】
・日本放射線学会 歯科エックス線優良医
・JAID 常務理事
・P.G.Iクラブ会員
・日本歯科放射線学会 歯科エックス線優良医
・日本口腔インプラント学会 会員
・日本歯周病学会 会員
・ICOI(国際インプラント学会)アジアエリア役員 認定医、指導医(ディプロマ)
・インディアナ大学 客員教授
・IMS社VividWhiteホワイトニング 認定医
・日本大学大学院歯学研究科口腔生理学 在籍
【略歴】
・東京歯科大学 卒業
・帝国ホテルインペリアルタワー内名執歯科
・新有楽町ビル歯科
・小野瀬歯科医院 継承
・新宿オークタワー歯科クリニック 開院
龍ケ崎市・竜ヶ崎駅の歯医者
『小野瀬歯科医院』
TEL:0297-62-0130