歯周病とは
歯周病菌という細菌が原因で、感染すると歯周ポケットに菌の繁殖が進み、さらに病気が進行すると歯のまわりの歯肉に深く巣くいます。
やがて歯を支えている骨をも溶かし、最終的には歯が抜け落ちることになります。
そして、歯周病が怖いのは、口腔内だけでなく、全身疾患にも関わるということ。歯周病菌が歯肉の血管に侵入し、全身を巡ることで、その毒素をまき散らし、新たな病気を引き起こします。現在では、心臓病・肺疾患・血液疾患・糖尿病・早産など、多くの全身疾患と歯周病の関係が明らかにされています。また、ガンや脳出血を助長するという報告もあります。日本人の成人のほとんどが罹患しているという歯周病。早期に治療をしておくこと以外に有効な対策はないでしょう。
レーザー治療とは
高度な先進的治療であるレーザー治療とは、レーザー光線のもつ光エネルギーを利用して殺菌・蒸散・理学的効果をもたらす治療法です。現在、幅広い範囲の治療（予防治療、むし歯治療、歯周病治療など）に応用されています。これまで、治療の痛みが苦手だったり、「キーン」「ガリガリ」という独特の音が嫌いだったりという理由から歯科医院に行くのを避けていた方にとって、このレーザー治療の登場は朗報です。痛みも金属音もないことから、画期的な治療手段の一つとして広がっています。
また、歯肉のメラニン色素を取ったり、変色した歯を白くしたりすることもできるので、エステティックの分野でも多く使用されています。
レーザーを使用した
歯周病治療
歯周病によって歯ぐきから血が出たり、歯と歯ぐきの間に膿がたまったりという状態になって、そのまま放っておくと歯が抜けてしまうこともあります。そんなときにもレーザーは活躍します。
歯と歯ぐきの間の溝（いわゆる歯周ポケット）にレーザーをあてて、そこにたまっている歯周病菌を殺菌します。患部にレーザーをあてることで歯周病の原因となっている細菌が急激に減ります。すると、膿が自然に出て、出血や痛みを抑えられ、歯周組織の活性化が促されて治りを早くします。痛みのないレーザー治療は、歯周病治療に欠かせない方法といえます。
レーザー治療の特徴
- 痛みのない治療が可能で、治療後もほとんど痛みがありません。
- 歯を削らないので、「キーン」という音もなく、麻酔なしの治療も可能です。
- 止血作用があり、出血がほとんどないので院内感染防止にもなります。
- 副作用・後遺症がほとんどありません。
- 1回あたりのレーザー治療は短時間で終わり、治りが早く、さらに傷痕が残りにくいです。
レーザーを使った治療法
神経を抜いた後の歯の根は出血もあり、雑菌だらけです。レーザーで出血を止めた後、通常の処置を行い、仕上げにもう一度レーザーで殺菌・消毒することで歯の根の患部はきれいな状態になります。また、後から痛みが出ることも非常に少なく、当院で使用しているレーザーには痛みを軽くする効果もあります。傷や口内炎など口の中の痛みは軽度でも気になるので、レーザーで処置をすることにより痛みも早く取れ、治りも早いというメリットがあります。
予防治療の重要性
予防治療とは歯の表面についたバイオフィルム（細菌の塊）やプラーク（歯垢）、歯石、色素沈着を、専用器具などを使って取り除きます。歯が持つ本来の健康な状態や自然な白さ・透明感を復元させる治療で、実施するのは主に歯科衛生士が担当いたします。
予防への意識を高めることで、歯周病の再発をさせない健康な口腔環境を維持することが重要になります。