バイオフィルムとは?歯科での除去法と健康リスクを解説!
2024年10月5日
小野瀬歯科医院です。
バイオフィルムとは、口内の細菌が集まって膜状の層を作ったものです。
特に歯垢(プラーク)はこのバイオフィルムの代表例であり、虫歯や歯周病の主な原因になります。
毎日の歯磨きだけでは取り切れないため、放置すると口内の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
ここではバイオフィルムの特徴や除去方法、全身へのリスクについて解説します。
バイオフィルムの概要
バイオフィルムは、細菌が集まって構成する粘性の膜状構造です。
細菌が外部刺激や薬剤から自身を守るために作る防御シールドのような役割を果たします。
口の中で形成されるバイオフィルムは、特に歯や歯茎周辺に多く見られ、いわゆる歯垢(プラーク)とも呼ばれます。
バイオフィルムは時間とともに密度を増し、細菌が急激に増殖します。
こうした構造のため、薬剤や免疫の働きが届きにくく、通常の歯磨きでは除去が難しいのです。
放置されると歯周病が進行し、最終的には歯を支える骨にまで影響を及ぼし、歯の喪失や全身の健康リスクにつながります。
歯垢・歯石との違い
バイオフィルム、歯垢(プラーク)、歯石は、口内の健康に深く関わりますが、それぞれ異なる特徴を持ちます。
歯垢は食事のあと短時間で歯の表面に付着する細菌の塊で、適切な歯磨きで除去が可能です。
しかし、放置するとバイオフィルム状に変化し、粘着性が強まっていきます。
さらに、唾液中のミネラル成分と結びつくことで硬化して歯石へと変わり、通常の歯磨きでは取り除けなくなり、歯科医院でのケアが必要になります。
バイオフィルムが健康に及ぼす影響
バイオフィルムをそのままにしておくと、歯周病や虫歯のリスクが急激に高まります。
歯周病は、歯茎や顎の骨にまで悪影響を及ぼし、歯を失う大きな要因となる病気です。
バイオフィルム内の細菌が通常の免疫や薬に耐性を示すため、炎症が長引きやすくなります。
さらに最近の研究では、口内のバイオフィルムが糖尿病や心疾患、脳卒中など全身の健康にも悪影響を与える可能性が示されています。
バイオフィルムの早期除去は、口内のみならず全身の健康維持にもつながります。
バイオフィルム除去の方法
バイオフィルムは通常の歯磨きだけでは除去が難しいため、歯科医院でのプロフェッショナルケアが推奨されます。
特に「PMTC」(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)はバイオフィルムの除去に効果的で、歯科衛生士が専用機器を使い、歯垢や歯石とともにバイオフィルムをしっかり除去します。
クリーニング後にはフッ素を塗布することで歯の強化が期待でき、虫歯予防にもつながります。
定期的な歯科受診でバイオフィルムの形成を防ぎ、健康な口腔環境を維持しましょう。
日常のバイオフィルム対策
バイオフィルムの予防には、毎日の丁寧な歯磨きが基本です。
特に歯と歯の間や歯茎の境目にはバイオフィルムが溜まりやすいため、デンタルフロスや歯間ブラシの併用が効果的です。
また、マウスウォッシュを活用することも有効ですが、使用手順が重要です。
まずブラッシングでバイオフィルムを除去し、その後にマウスウォッシュを使うことで、より効果的に細菌の増殖を抑えることができます。
少しでも参考になれば幸いです。
自身の歯についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
東京歯科大学卒業後、千代田区の帝国ホテルインペリアルタワー内名執歯科・新有楽町ビル歯科に入職。
その後、小野瀬歯科医院を引き継ぎ、新宿オークタワー歯科クリニック開院し現在に至ります。
また、毎月医療情報を提供する歯科新聞を発行しています。
【所属】
・日本放射線学会 歯科エックス線優良医
・JAID 常務理事
・P.G.Iクラブ会員
・日本歯科放射線学会 歯科エックス線優良医
・日本口腔インプラント学会 会員
・日本歯周病学会 会員
・ICOI(国際インプラント学会)アジアエリア役員 認定医、指導医(ディプロマ)
・インディアナ大学 客員教授
・IMS社VividWhiteホワイトニング 認定医
・日本大学大学院歯学研究科口腔生理学 在籍
【略歴】
・東京歯科大学 卒業
・帝国ホテルインペリアルタワー内名執歯科
・新有楽町ビル歯科
・小野瀬歯科医院 継承
・新宿オークタワー歯科クリニック 開院
龍ケ崎市・竜ヶ崎駅の歯医者
『小野瀬歯科医院』
TEL:0297-62-0130