2025年10月11日

小野瀬歯科医院です。
インビザライン治療をされている方の中には、「口臭が気になる」「マスクをしていると特に自分の口臭が気になる」といったお悩みを抱えている方が少なくありません。インビザライン治療中の口内環境は、通常時と異なるため、口臭が発生しやすくなることがあります。この記事では、まず口臭が発生する原因を詳しく解説し、日々の効果的なセルフケア方法をご紹介します。さらに、インビザライン治療に特化したオーラルケア製品の選び方までご紹介しますので、この記事を最後までお読みいただくことで、口臭の悩みを解決し、自信を持って快適にインビザライン治療を続けられるでしょう。
なぜ?インビザライン治療中に口臭が気になりやすくなる原因
インビザライン治療中に口臭が気になることは、多くの方が経験されるお悩みです。このセクションでは、なぜインビザライン治療中に口臭が発生しやすくなるのか、その具体的な理由を深く掘り下げて解説していきます。
口内環境の変化や、マウスピース自体が口臭の原因となることなど、複数の要因が複雑に絡み合っています。それぞれの原因を詳しく見ていくことで、口臭対策の第一歩を踏み出しましょう。
唾液の自浄作用の低下と細菌の繁殖
私たちの口内には、食べかすや細菌を洗い流す「唾液の自浄作用」という自然な防御機能が備わっています。唾液は常に口の中を循環し、食べ物の残りカスを洗い流したり、酸を中和して虫歯を防いだり、細菌の増殖を抑えたりする重要な役割を担っています。
しかし、インビザラインのマウスピースを装着すると、この唾液の流れが物理的に妨げられてしまいます。歯の表面に唾液が十分に届きにくくなることで、自浄作用が低下します。その結果、口臭の原因となる細菌が口の中に留まりやすくなり、増殖しやすい環境が作られてしまうのです。
特に、口臭の原因となる細菌は、揮発性硫黄化合物と呼ばれるガスを産生します。唾液の自浄作用が低下すると、これらの細菌が活発になり、口臭が強まることにつながります。
マウスピース(アライナー)自体に付着した汚れ
マウスピース(アライナー)自体が口臭の原因となることもあります。インビザラインのマウスピースはポリウレタン製で、目に見えないほどの微細な凹凸があり、臭いや汚れが付着しやすい性質を持っています。
特に洗浄が不十分な場合、唾液に含まれるタンパク質などがマウスピースの表面に石灰化して付着し、まるで歯石のように細菌の温床となってしまいます。この状態が続くと、細菌が繁殖して口臭を発生させやすくなるのです。
また、コーヒーやワインなどの着色性の飲み物や、タバコのヤニなどがマウスピースに付着することも、見た目を悪くするだけでなく、細菌がさらに付着しやすくなり、臭いの原因となることがあります。
歯の磨き残しや食べかす
食事の後に歯磨きをせずにマウスピースを装着することは、口臭を発生させる大きな原因の一つです。歯とマウスピースの間に食べかすや歯垢(プラーク)が閉じ込められてしまうと、密閉された環境の中で細菌が爆発的に繁殖してしまいます。
これにより、非常に強い口臭が発生するだけでなく、細菌が産生する酸によって歯のエナメル質が溶かされ、虫歯のリスクが著しく高まります。また、歯茎に炎症を引き起こし、歯周病の原因となる可能性もあります。
インビザライン治療中は、食事のたびにマウスピースを外し、食後は必ず丁寧に歯磨きをしてからマウスピースを再装着することが非常に重要です。
口内の乾燥(ドライマウス)
口内が乾燥する「ドライマウス」も、口臭を悪化させる大きな要因となります。マウスピースを装着していると、無意識のうちに口呼吸になりやすくなる方がいらっしゃいます。特に就寝中は口呼吸になりがちで、口内が乾燥しやすい傾向にあります。
口内が乾燥すると、細菌の増殖を抑制する働きを持つ唾液の量が減少してしまいます。唾液による自浄作用が十分に機能しないため、口臭の原因となる細菌が繁殖しやすくなり、結果として口臭が発生しやすい環境となってしまうのです。
特定の生活習慣や、服用しているお薬がドライマウスの原因となることもありますので、気になる場合は歯科医師にご相談ください。
放置は危険?インビザライン中の口臭が引き起こすリスク
インビザライン治療中に発生する口臭は、単に不快なだけでなく、放置することでさまざまな健康上のリスクを引き起こす可能性があります。口臭の背景には、虫歯や歯周病といった深刻な口内トラブルの兆候が隠されていることも少なくありません。
このセクションでは、インビザライン治療中の口臭が引き起こす具体的なリスクについて詳しく解説します。虫歯や歯周病の進行、さらにはマウスピース(アライナー)自体の変色や劣化といった問題にもつながるため、これらのリスクを理解し、適切な対策を講じることが治療を成功させる上で非常に重要です。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
インビザライン治療中に口臭を放置すると、虫歯や歯周病のリスクが著しく高まります。口臭の原因となる細菌は、糖分を分解して酸を産生します。マウスピースを装着していると、この酸が歯の表面に長時間とどまることで、歯のエナメル質を溶かし、虫歯の発生を促進してしまうのです。
また、口臭の原因菌は歯周病菌と密接に関連しており、歯茎に炎症を引き起こす歯肉炎の原因となります。マウスピースによって密閉された環境は、酸素を嫌う歯周病菌の増殖を助長し、歯茎の腫れや出血といった症状を悪化させる可能性があります。歯肉炎が進行すると、最終的には歯を支える骨が溶ける歯周病へと移行し、最悪の場合、歯を失うことにもつながりかねません。
マウスピースが有害な細菌を歯や歯茎に長時間密着させてしまうため、インビザライン治療中は特に、細菌の増殖を抑え、口腔内を清潔に保つことが虫歯や歯周病予防において非常に重要になります。
マウスピース(アライナー)の変色や劣化
口臭の原因となる細菌は、マウスピース(アライナー)自体にも悪影響を及ぼします。細菌の塊であるバイオフィルムや、唾液中の成分が石灰化してできる歯石がマウスピースに付着すると、透明であるはずのマウスピースが黄ばんだり、白く濁ったりと変色してしまいます。
本来、インビザラインの大きな利点は、その目立たない透明性にあります。しかし、マウスピースが変色したり汚れたりすると、見た目の清潔感が失われるだけでなく、治療中の審美性も損なわれてしまいます。これは、インビザラインを選んだメリットが半減してしまうことを意味します。
さらに、細菌や歯石がマウスピースにこびりつくことで、マウスピースの素材自体が劣化する可能性もあります。劣化によってマウスピースが変形したり、破れたりすると、矯正治療の進行に影響を及ぼすことも考えられます。したがって、マウスピースの清潔さを保つことは、口臭予防だけでなく、治療の効率性や見た目を維持するためにも非常に重要です。
【実践編】インビザライン治療中の口臭を予防する毎日のセルフケア
これまでのセクションでは、インビザライン治療中に口臭がなぜ発生しやすくなるのか、そしてその口臭を放置することがどのようなリスクを引き起こすのかを詳しく見てきました。ここからは、これらの悩みを解消し、快適な治療期間を過ごすための具体的な実践方法をご紹介します。
日々の正しいセルフケアを継続することこそが、口臭問題を解決する最も効果的な手段です。このセクションでは、歯の清掃、マウスピースの適切な洗浄、舌ケア、そして水分補給といった、今日から実践できる具体的なケア方法を詳しく解説していきます。
基本の口腔ケア:正しい歯磨きと歯間ケア
インビザライン治療中における口腔ケアの最も重要な基本ルールは、「飲食時(水を除く)には必ずマウスピースを外し、再装着する前には必ず歯を磨く」ことです。これを徹底するだけで、口臭の原因となる食べかすや細菌の増殖を大幅に抑えることができます。
歯磨きの際は、柔らかめの歯ブラシを選び、歯と歯茎の境目に毛先をしっかり当てて丁寧に磨きましょう。ゴシゴシと力を入れすぎず、小刻みに優しく動かすことが大切です。また、歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間には、食べかすや歯垢(プラーク)が残りやすく、ここが口臭の大きな原因となります。
そのため、デンタルフロスや歯間ブラシの使用は口臭予防に不可欠です。デンタルフロスは歯と歯の間の狭い隙間や、歯周ポケットに入り込んだ汚れをかき出すのに効果的です。歯間ブラシは、歯茎が下がって歯と歯の間に隙間ができた場合に特に有効で、適切なサイズのものを歯科医院で選んでもらいましょう。
マウスピース(アライナー)の正しい洗浄と保管方法
マウスピースの清潔さを保つことは、口臭予防と治療の成功に直結します。まず、毎日行うべきケアとして、マウスピースを外すたびに流水(ぬるま湯)で洗い流し、専用の柔らかい歯ブラシを使って優しくこすり洗いしましょう。この時、研磨剤が含まれる歯磨き粉を使用すると、マウスピースに目に見えない傷がつき、そこに細菌が入り込んで繁殖しやすくなるため、使用は避けてください。
週に数回は、専用の洗浄剤を用いたスペシャルケアを取り入れましょう。洗浄剤には錠剤タイプや泡タイプなどがあり、マウスピースを浸け置きすることで、日常の歯ブラシでは落としきれない細菌や汚れを除去し、除菌・消臭効果を高めます。製品の説明書に従い、正しい方法で使いましょう。
洗浄後のマウスピースは、十分に乾燥させてから専用のケースに入れて保管することが重要です。湿ったまま放置すると細菌が繁殖しやすくなります。また、マウスピースは熱に弱く変形する可能性があるため、直射日光の当たる場所や高温になる車内などでの保管は避け、涼しい場所で保管してください。
舌のケア(舌苔の除去)も忘れずに
口臭の大きな原因の一つに「舌苔(ぜったい)」があります。これは舌の表面に付着した細菌や食べかすの集合体であり、口臭の主要な発生源となります。インビザライン治療中は口呼吸になりやすく、口内が乾燥することで舌苔ができやすくなるため、注意が必要です。
舌苔のケアには、専用の舌ブラシや舌クリーナーを使用します。歯ブラシで舌を磨くのは舌の粘膜を傷つけたり、嘔吐反射を引き起こしやすいため避けましょう。舌ブラシを舌の奥から手前に向かって、優しく数回なでるように清掃します。これを歯磨きと合わせて毎日の習慣にすることで、口臭を大きく改善できます。
口の乾燥を防ぐための水分補給
口内の乾燥(ドライマウス)は、唾液の自浄作用を低下させ、細菌の繁殖を促進し、結果的に口臭を悪化させる悪循環を引き起こします。インビザライン治療中は、マウスピースを装着していることで無意識に口呼吸が増え、特に就寝中に口が乾燥しやすくなることがあります。
この悪循環を断ち切るためには、一日を通してこまめに水を飲む習慣をつけることが非常に効果的です。喉が渇いていなくても、定期的に水を一口飲むようにしましょう。ただし、マウスピースを装着したまま飲んで良いのは「水」だけです。糖分や酸を含むジュースやスポーツドリンク、コーヒーなどをマウスピース装着中に飲むと、マウスピースと歯の間にこれらの成分が停滞し、虫歯や着色のリスクが格段に高まるため、絶対に避けてください。
【製品選びのポイント】口臭対策に役立つオーラルケア製品ガイド
このセクションでは、インビザライン治療中の口臭対策に特化したオーラルケア製品の選び方について詳しく解説します。日々のセルフケアの効果を最大限に高めるためには、ご自身の口内環境やライフスタイルに合った製品を選ぶことが非常に重要です。
これからマウスピース洗浄剤、歯磨き粉、そしてマウスウォッシュといったオーラルケア製品について、それぞれの選び方のポイントを具体的にご紹介します。これらの情報を通じて、最適な製品を選び、快適なインビザライン治療期間を過ごせるようになるでしょう。
マウスピース(アライナー)用洗浄剤の選び方
インビザラインのマウスピースは、ただ水洗いするだけでは不十分で、専用の洗浄剤を使用して清潔に保つことが非常に重要です。なぜなら、通常の歯磨き粉には研磨剤が含まれており、これを使用するとマウスピースの表面に目に見えない微細な傷をつけてしまう恐れがあるためです。この傷に細菌や汚れが入り込むと、かえって口臭の原因になったり、マウスピースが変色したりするリスクが高まります。また、家庭用の漂白剤などはマウスピースの素材を傷め、変形や劣化を招く可能性があるため、絶対に避けるべきです。
したがって、インビザライン治療中は、マウスピースの材質を傷つけずに効果的に汚れや細菌を除去できる、専用の洗浄剤を選ぶことが欠かせません。専用洗浄剤は、マウスピースの素材に合わせた成分配合がされており、高い除菌・消臭効果を発揮しながらも、マウスピースを長持ちさせるように設計されています。
マウスピースを傷つけない洗浄剤の種類
マウスピースを傷つけずに効果的に洗浄するためには、その成分と種類を理解することが大切です。専用洗浄剤の主な種類としては、「酵素系」と「酸素系」が挙げられます。酵素系の洗浄剤は、マウスピースに付着した唾液や食べかすなどのタンパク質汚れを分解する効果に優れています。これにより、細菌が繁殖する温床となる汚れをしっかりと除去し、口臭の発生を抑えることができます。
一方、酸素系の洗浄剤は、発泡作用によって目に見えない細菌を除菌する働きがあります。マウスピースの隅々まで洗浄成分が行き渡り、衛生的に保つことで、口臭だけでなく虫歯や歯周病のリスク低減にも繋がります。これらの洗浄剤を選ぶ際には、マウスピースの素材を変形させる恐れのある熱湯の使用は避けるべきです。また、繰り返しになりますが、研磨剤が含まれる歯磨き粉はマウスピースの表面を傷つけ、細菌の付着を促進するため使用しないでください。
使いやすさで選ぶ(錠剤、泡タイプなど)
マウスピース洗浄剤は、個人のライフスタイルや使用シーンに合わせて、様々な形状のものが市販されています。自宅でじっくりと洗浄する時間がある夜間などに便利なのが、「錠剤・粉末タイプ」の浸け置き型洗浄剤です。水に溶かしてマウスピースを一定時間浸しておくことで、頑固な汚れや細菌を効果的に除去できます。
外出先やオフィスで手早く洗浄したい場合には、「泡タイプ」や「スプレータイプ」の洗浄剤が非常に便利です。泡タイプはマウスピースに直接泡を吹き付けて軽くブラッシングするだけで手軽に洗浄でき、スプレータイプも同様に簡単に使用できます。これらは持ち運びにも適しており、食事の後にサッと除菌・消臭したい場合に役立ちます。ご自身の生活パターンに合った形状を選ぶことで、無理なく毎日の洗浄習慣を続けることができるでしょう。
歯磨き粉の選び方
インビザライン治療中に使う歯磨き粉を選ぶ際には、通常の歯磨き粉とは異なる視点を持つことが大切です。特に、歯磨き粉に含まれる「研磨剤」の有無や量、そして「有効成分」の種類が、インビザライン治療の成功と口内環境の健康維持に大きく影響します。適切な歯磨き粉を選ぶことで、口臭予防はもちろん、虫歯や歯周病のリスクを減らし、マウスピースを清潔に保つことにもつながります。
研磨剤の少ない製品を選ぶ理由
研磨剤が多く含まれる歯磨き粉は、インビザライン治療中にはあまりおすすめできません。なぜなら、歯を磨いた後に口の中に残った研磨剤の細かい粒子が、再び装着するマウスピースの内面に付着し、マウスピースを傷つけてしまう可能性があるからです。この微細な傷は、肉眼では見えにくいものですが、細菌が入り込む温床となり、かえって口臭を悪化させたり、マウスピースの変色を引き起こしたりする原因になります。
このような事態を防ぐためには、研磨剤が無配合の歯磨き粉や、研磨剤の量が少ない低研磨性の歯磨き粉を選ぶことが重要です。ジェルタイプや泡タイプの歯磨き粉には、研磨剤が含まれていないものも多いので、そういった製品を選ぶと安心です。
殺菌成分やフッ素配合のメリット
インビザライン治療中の口内環境を健やかに保つためには、歯磨き粉に含まれる有効成分にも注目しましょう。口臭や歯肉炎の原因となる細菌の増殖を抑える「殺菌成分」は非常に効果的です。例えば、塩化セチルピリジニウム(CPC)などが代表的な殺菌成分として挙げられます。
また、「フッ素(フッ化物)」の配合も重要なポイントです。フッ素は歯の表面を強くし、酸に溶けにくい歯を作ることで、虫歯の発生や進行を防ぐ効果があります。インビザライン治療中はマウスピースで歯が覆われる時間が長く、虫歯のリスクも高まりやすいため、殺菌成分とフッ素の両方が配合された歯磨き粉を選ぶことで、口臭予防と虫歯予防の両面から効果的に口内ケアを行うことができます。
マウスウォッシュ(洗口液)の選び方
マウスウォッシュ、いわゆる洗口液は、日々の歯磨きや歯間清掃だけでは届きにくい口内のすみずみにまで行き渡り、細菌の数をコントロールすることで口臭を軽減する補助的な役割を果たします。特にインビザライン治療中は、マウスピースの装着によって口内環境が変化しやすいため、適切なマウスウォッシュを選ぶことが、口臭対策において非常に重要になります。
インビザライン治療中にマウスウォッシュを選ぶ際、最も注意していただきたいポイントは「アルコールの有無」です。この後の項目で、アルコールフリー製品が推奨される具体的な理由について詳しく解説いたします。
アルコールフリー製品が推奨される理由
マウスウォッシュの中には、爽快感を高めるためにアルコールが配合されている製品が多くあります。しかし、インビザライン治療中の方には、アルコールを含むマウスウォッシュの使用はおすすめできません。その最大の理由は、アルコールが口内の水分を蒸発させ、乾燥を引き起こす作用があるためです。
口内が乾燥すると、唾液の分泌が妨げられます。唾液には、口内を洗い流し、細菌の増殖を抑制する自浄作用があるため、その働きが低下すると細菌が繁殖しやすい環境が作られてしまいます。これは、口臭をさらに悪化させることにつながり、マウスウォッシュを使用しても本末転倒な結果を招く可能性があります。インビザライン治療中は、口内を潤しながら口臭の原因菌を殺菌する成分(例:CPC/塩化セチルピリジニウムなど)が配合された、「アルコールフリー」または「ノンアルコール」と表示されている製品を選びましょう。
あると便利なオーラルケアグッズ
このセクションでは、基本的なケアに加えて、インビザライン治療中のオーラルケアをさらに快適で効果的にするための便利な補助グッズをご紹介します。特に、外出先でのケアや、より高いレベルの清潔さを目指したい時に役立つアイテムを具体的に取り上げていきますので、ぜひご自身のライフスタイルに合わせてご検討ください。
これからご紹介するアイテムを上手に取り入れることで、インビザライン治療中の口臭の悩みを軽減し、より自信を持って毎日を過ごせるようになるでしょう。
歯間ブラシ・デンタルフロス
歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届きにくく、食べかすやプラークが残りやすい場所です。ここをきれいに保つことは、口臭予防だけでなく、虫歯や歯周病のリスクを低減する上で非常に重要になります。そこで活躍するのが、歯間ブラシとデンタルフロスです。
歯間ブラシは、ご自身の歯間の広さに合ったサイズを選ぶことが大切です。また、外出先での食事の後など、手軽に歯間の清掃を行いたい場合には、フロスピック(糸ようじ)が便利でしょう。より徹底した清掃を求める方には、ロールタイプのフロスもおすすめです。これらのアイテムをポーチに常備することで、いつでも口腔内を清潔に保ち、口臭の原因となる食べかすの停滞を防ぐことができます。
舌ブラシ
口臭の主要な原因の一つに「舌苔(ぜったい)」があります。舌苔とは、舌の表面に付着した白い苔のようなもので、食べかすや細菌、剥がれた粘膜などが集まってできたものです。この舌苔を効率的に除去するために開発されたのが、専用の舌ブラシです。
通常の歯ブラシで舌を磨くと、舌の粘膜を傷つけたり、嘔吐反射(オエッとなる感覚)が強く出たりすることがあります。しかし、舌ブラシや舌クリーナーは、舌の形状に合わせて作られており、粘膜を傷つけにくい柔らかな素材や設計が特徴です。舌の奥から手前に向かって優しく数回なでるように清掃することで、舌苔を効果的に除去し、口臭を大きく改善する効果が期待できます。手頃な価格で手に入り、毎日の習慣に取り入れやすいため、ぜひ試していただきたいアイテムです。
超音波洗浄機
インビザラインのマウスピースは毎日洗浄することが大切ですが、手洗いだけでは落としきれない微細な汚れや、目に見えない細菌の膜(バイオフィルム)が残ってしまうことがあります。そこで、より徹底した洗浄を求める方におすすめなのが、超音波洗浄機です。
超音波洗浄機は、高周波の超音波を発生させることで、水中に無数の小さな気泡を作り出します。これらの気泡が弾ける際の衝撃(キャビテーション効果)によって、マウスピースの複雑な形状の隅々や、手洗いでは届きにくい微細な部分にこびりついた汚れ、細菌の膜などを物理的に剥がし取ります。日々の手洗いの手間を軽減しつつ、マウスピースを最高レベルの清潔さに保つことができるため、忙しい方や、より衛生的な状態を維持したい方にとって、投資する価値のある便利なアイテムと言えるでしょう。
セルフケアで改善しない場合は歯科医院へ相談を
これまでご紹介したセルフケアを徹底しても口臭がなかなか改善されない場合、それはご自身では解決しにくい問題が隠れているサインかもしれません。そのような状況に直面しても、決して一人で悩まず、治療を担当している歯科医師や歯科衛生士に相談することが非常に大切です。
プロの視点からのアドバイスや診察を受けることで、口臭の根本的な原因が特定され、より効果的な対策が見つかる可能性があります。専門家は口内環境だけでなく、全身の健康状態も含めて総合的に判断してくれますので、安心してご相談ください。
定期的なプロフェッショナルクリーニングの重要性
どれだけ丁寧にセルフケアを行っても、歯の表面には時間の経過とともに、ご自身の力だけでは取り除けない歯石やバイオフィルム(細菌の膜)が少しずつ蓄積されていきます。これらの頑固な汚れは、口臭の原因となるだけでなく、虫歯や歯周病のリスクを高める要因となります。
こうした蓄積された汚れを完全に取り除き、口内を徹底的に清潔にするのが、歯科医院で行う「プロフェッショナルクリーニング(PMTC)」です。専用の機器と技術を使い、歯の表面や歯周ポケットの奥深くまで丁寧に清掃・研磨することで、セルフケアでは届かない部分の細菌や汚れを除去し、口臭の改善に繋がります。
インビザライン治療中にプロフェッショナルクリーニングを定期的に受けることは、口臭予防はもちろんのこと、虫歯や歯周病といった深刻な口腔トラブルを防ぎ、治療を順調に進める上で不可欠なメンテナンスであると言えるでしょう。
口臭以外の原因が隠れていないかチェック
セルフケアを徹底し、歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングも受けているにもかかわらず、頑固な口臭が続く場合は、インビザラインや口内環境だけでなく、全身の健康状態に起因する可能性も考えられます。例えば、副鼻腔炎(蓄膿症)や扁桃腺にできる膿栓(臭い玉)、胃食道逆流症などの消化器系の疾患、あるいは糖尿病などの全身疾患が口臭の原因となることがあるのです。
口腔内の問題が見当たらないにも関わらず口臭が改善しない場合、歯科医師はこれらの可能性を考慮し、必要に応じて内科や耳鼻咽喉科などの医科への受診を勧めることがあります。口臭は体からのサインであることも少なくありませんので、専門家と連携しながら原因を探り、適切な対処を行うことが大切です。
まとめ:正しいオーラルケアでインビザライン治療を快適に乗り切ろう
インビザライン治療中の口臭は、多くの方が悩む共通の課題です。その原因は、唾液の自浄作用の低下、マウスピースの洗浄不足や汚れの付着、そして食べかすや歯の磨き残しなどが挙げられます。これらの原因を放置すると、口臭が悪化するだけでなく、虫歯や歯周病のリスクを高め、さらにはマウスピースの変色や劣化にもつながる可能性があります。
しかし、ご安心ください。これらの口臭問題は、毎日の正しいオーラルケアによって十分に改善し、予防することができます。食事後の丁寧な歯磨きと歯間ケア、マウスピースの適切な洗浄と保管、そして舌の清掃を日々の習慣にすることが何よりも大切です。また、口の乾燥を防ぐためのこまめな水分補給も効果的です。
この記事でご紹介したように、ご自身の口内環境やライフスタイルに合わせたオーラルケア製品を選ぶことも、口臭対策を成功させる鍵となります。正しいケアを実践し、もしセルフケアだけでは改善しないと感じたら、迷わず歯科医院にご相談ください。適切なプロフェッショナルクリーニングや専門家のアドバイスを受けることで、口臭の悩みを解消し、インビザライン治療期間を快適に、そして自信を持って笑顔で乗り切ることができるでしょう。
少しでも参考になれば幸いです。
自身の歯についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
小野瀬 弘記 | Onose Hiroki
東京歯科大学卒業後、千代田区の帝国ホテルインペリアルタワー内名執歯科・新有楽町ビル歯科に入職。
その後、小野瀬歯科医院を引き継ぎ、新宿オークタワー歯科クリニック開院し現在に至ります。
また、毎月医療情報を提供する歯科新聞を発行しています。
【所属】
・日本放射線学会 歯科エックス線優良医
・JAID 常務理事
・P.G.Iクラブ会員
・日本歯科放射線学会 歯科エックス線優良医
・日本口腔インプラント学会 会員
・日本歯周病学会 会員
・ICOI(国際インプラント学会)アジアエリア役員 認定医、指導医(ディプロマ)
・インディアナ大学 客員教授
・IMS社VividWhiteホワイトニング 認定医
・日本大学大学院歯学研究科口腔生理学 在籍
【略歴】
・東京歯科大学 卒業
・帝国ホテルインペリアルタワー内名執歯科
・新有楽町ビル歯科
・小野瀬歯科医院 継承
・新宿オークタワー歯科クリニック 開院
龍ケ崎市・竜ヶ崎駅の歯医者
『小野瀬歯科医院』
住所:茨城県龍ケ崎上町4248-1
TEL:0297-62-0130